スキルシート

職種別スキルシートの記入例|バックエンド・インフラ・フロント・PMの書き方サンプル

Relay編集部7分

この記事の要点

  • 同じ「開発した」でも、職種によって案件先が見たい工程は違う。職種に合わせて強調点を変える
  • バックエンドは設計と非機能、インフラ/SREは運用と信頼性、フロントは実装と性能、PMは推進と調整を具体化する
  • どの職種でも、担当工程・規模・使用技術・成果をセットで、可能なら数字を添えて書く

スキルシートは、同じ「開発した」でも職種によって案件先が見たい工程が違います。同じ書き方をしても、職種によって刺さる部分が変わる、ということです。

この記事では、主要な職種ごとに「日常語のままの書き方」と「案件に伝わる書き方」のサンプルを、いくつか並べて紹介します。自分の職種のところを見て、書き換えの方向をつかんでください。

基本の考え方は 経験を“案件に伝わる言葉”に翻訳するスキルシートの書き方 に、全体像は スキルシート完全ガイド にまとめています。まだ形ができていない場合は、先にそちらで全体像をつかむと、このサンプルが活きます。

職種ごとに、見られる工程が違う

本題の前に、全体像を押さえておきます。案件先が特に見る工程は、職種によって次のように変わります。

職種特に見られる工程・観点
バックエンド設計判断、非機能要件(性能・可用性)
インフラ・SRE構築だけでなく運用・信頼性・自動化
フロントエンドUI実装に加えて性能・設計・チーム連携
PM・PMO何人を動かし、何を決めたか
データ基盤・DBA設計・チューニング・移行の実績と規模

自分の職種の欄を意識しながら、以降のサンプルを見てください。書き換えの方向がつかみやすくなります。

共通して言えるのは、「何を作ったか」だけでなく「どこまで任されていたか」を書くと伝わる、ということです。案件先が知りたいのは、この人にどこから任せられるか。職種ごとに強調点は違っても、この芯は変わりません。

バックエンド

設計判断と非機能要件(性能・可用性)への関与を具体化すると伝わります。「実装した」だけだと、指示された範囲を作った人なのか、設計から考えた人なのかが区別できません。案件先は、その違いで任せられる範囲を判断しています。

こう書きがち案件先に伝わる書き方
APIを作った会員基盤APIの設計・実装を担当(REST/Go)。月間◯◯万リクエスト規模で、レスポンス改善とDB設計まで対応
規模と、設計・性能への関与まで書きます。
バグを直した決済処理の不具合を原因調査のうえ改修し、再発防止のテストを追加
原因と再発防止まで書くと、運用も任せられると伝わります。
DBを設計した機能要件からテーブル設計を担当し、正規化とインデックス方針を決定
設計判断の中身を添えます。

インフラ / SRE

構築だけでなく、運用・信頼性・自動化への関与が見られます。「作った」で終わらず、その後どう回したかまで書くのがポイントです。

こう書きがち案件先に伝わる書き方
サーバーを管理したAWS上の本番環境の構築・運用を担当。IaC(Terraform)化、監視・アラート整備、障害対応とポストモーテム運用まで
構築と運用の両面を書くと評価が上がります。
監視していた監視・アラートを整備し、障害を早期検知できる運用体制を構築
「見ていた」ではなく「仕組みを作った」に変えます。
コストを下げたクラウド費用を分析し、不要リソースの整理と構成見直しで月額を削減
分析と手段を添えます。

フロントエンド

UI実装に加えて、性能・設計・チーム連携を具体化します。画面を作れることは前提として見られているので、その先の設計や他職種との連携まで書けると差がつきます。

こう書きがち案件先に伝わる書き方
画面を作った管理画面のフロントを React/TypeScript で実装。コンポーネント設計、表示パフォーマンス改善、デザイナー・バックエンドとの仕様調整を担当
実装だけでなく設計と連携まで書きます。
スマホ対応したレスポンシブでモバイル用ナビを実装し、狭幅での回遊性を改善
対象と改善点を具体にします。
デザインを揃えた共通ヘッダー/フッターに切り出して全ページのUIを統一し、保守性を向上
共通化の狙いを書くと、設計判断ができる人だと伝わります。

PM / PMO

「何人をどう動かし、何を決めたか」を具体化します。役割の名前だけでなく、実際に担った調整の中身を書きます。

こう書きがち案件先に伝わる書き方
プロジェクトを進めた開発5名のスクラム運営を担当。要件の優先度調整、スケジュール・リスク管理、ステークホルダー折衝でリリースを推進
人数・担った調整・成果をセットで書きます。
朝会をやっていたスクラムマスターとしてスプリント運営を担当し、障害の早期可視化を推進
役割と成果を書くと、プロセスを回せる人だと伝わります。
工数を出した機能要件から工数を見積もり、リスクと前提を添えて開発計画に反映
前提とリスクまで書くと、計画づくりを任せられます。

データ基盤 / DBA

設計・チューニング・移行の実績を、規模とセットで書きます。データは規模がそのまま難易度に直結するので、件数やデータ量を添えるだけで説得力が変わります。

こう書きがち案件先に伝わる書き方
データベースをいじったAurora/Oracleの設計・チューニングとデータ移行を担当。クエリ最適化と移行手順の設計・検証まで対応
設計・最適化・移行のどこを担ったか書きます。
データを移したオンプレからクラウドへのデータ移行を設計・実施(約◯万件規模)
規模を書くと、移行を任せられる経験値が伝わります。

QA / テスト

テストの粒度と、品質にどう関与したかを書きます。「テストした」だけだと、どの工程を担ったのかが見えません。テスト設計から入ったのか、実行だけだったのかで、任せられる範囲は大きく変わります。

こう書きがち案件先に伝わる書き方
テストしたテスト設計から単体・結合テストまで担当し、リリース前の品質を担保
どの粒度のテストかを書き分けます。
負荷テストをした想定ピークで負荷試験を実施し、ボトルネックを特定してDB接続数を見直し
何を測り、何を直したかまで書きます。

職種が複数にまたがるとき

実務では、職種がきれいに分かれないことも多いです。バックエンドをやりつつインフラも触る、といったケースです。

その場合は、取りたい案件の職種を軸に据えて、そこに関連する工程を主に書くのがコツです。

取りたい案件並べ方
バックエンド中心設計・実装を主に、インフラ(構築・運用)は補足として添える
インフラ中心構築・運用・自動化を主に、アプリ実装は補足に回す

全部を同じ強さで並べると、何が得意なのかが伝わりません。軸を決めて、そこに厚みを持たせるほうが、案件先は判断しやすくなります。取りたい案件が変わったら、軸を入れ替えて書き直せば十分です。

両方の経験があること自体は強みです。ただ、スキルシートは「何でもできます」より「これができます」のほうが刺さります。器用さより、任せられる範囲の明確さが評価される、と考えておくとよいです。

共通のコツ

どの職種でも、担当工程・規模・使用技術・成果をセットで書くのが基本です。やった工程を案件先の語彙に翻訳し、可能な範囲で数字を添えると、ぐっと伝わりやすくなります。

4つの要素を、意識して埋めるとこうなります。

要素書く内容
担当工程要件定義〜運用保守のどこを担ったか
規模チーム人数、対象の件数・リクエスト数など
使用技術言語・フレームワークをバージョンまで
成果改善した数値や、任された範囲の広がり

すべてを埋められなくても構いません。特に担当工程と使用技術の2つが入っていれば、案件先が判断できる情報の大半は揃います。規模や成果は、思い出せる範囲で後から足していけば十分です。盛る必要はなく、やったことの粒度を上げるだけで伝わり方は変わります。

書き換えるときの、よくあるつまずき

サンプルを見て書き換えるときに、つまずきやすい点を挙げておきます。

つまずきどうするか
サンプルの文言をそのまま写す自分がやっていない内容は書かない。粒度だけを真似る
数字が思い出せない「約◯名」「約◯万件」で構わない。無理に正確な数字を作らない
すべての案件を詳しく書こうとする直近と関連の強い案件に絞る。古い案件は工程と技術だけでよい
盛りたくなる面談で崩れるので逆効果。担当した工程を正確に書くほうが強い

サンプルは、あくまで「どのくらい具体的に書けばいいか」の見本として使ってください。文言をそのまま写すのではなく、粒度だけを真似て、中身は自分の経験に置き換える、という前提です。

職種別に、もっと細かい工程の書き分けを知りたい場合は担当工程の書き方(工程別の記入例)を、自己PR欄の書き方は自己PR欄の書き方を参照してください。

テンプレートに沿って埋めたい方は Relayの無料登録でスキルシートのExcelテンプレートを配布しています。整えたスキルシートをもとに、経験に合う案件を担当者がメールでご紹介します。登録面談なし・営業電話なしです。

よくある質問

職種が複数にまたがる場合はどう書きますか?
主に取りたい案件の職種を軸に据え、関連する工程を補足として書きます。たとえばバックエンド中心でインフラも触れるなら、設計・実装を主に、運用・構築を補足として並べます。
経験が浅い職種でも書いていいですか?
書けます。担当した範囲を正直に、具体的に書けば十分です。やっていない工程を書かないことが信頼につながります。

監修

馬込 浩株式会社KOPS 代表取締役

業務システムの開発・受託に携わり、フリーランス/業務委託エンジニアの調達・案件マッチングの実務に通じる。Relayの記事は、案件先に「伝わる」スキルシートと、案件を切らさない働き方の観点から監修しています。

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