スキルシート

スキルシートはいつ更新すべきか|更新日が古いと案件紹介で不利になる理由

Relay編集部9分

この記事の要点

  • 更新日が古いスキルシートは、内容が今の状態を表しているか分からないため、案件先に出す前に確認が必要になる
  • 確認のやり取りが1往復入るだけで提案は1〜2日ずれる。急ぎの案件では、それだけで間に合わなくなる
  • 更新は案件を探し始めてからでは遅い。稼働中の区切りで書き足しておくと、探し始めたときに準備が終わっている

スキルシートは、一度作れば終わりではありません。更新のタイミングによって、案件の紹介されやすさが変わります。

この記事では、更新日が古いと何が起きるのかいつ更新すべきか、そして毎回ゼロから書き直さない方法を、案件を紹介する側の視点で整理します。

更新日が古いと、何が起きるか

スキルシートを受け取った側は、内容を読む前に更新日を見ています。理由は単純で、そのシートが今の状態を表しているかを確かめる必要があるからです。

更新日が数か月前だと、次の疑問が出ます。

  • 直近の案件は、まだ続いているのか、もう終わったのか
  • この後に別の案件に入っていないか
  • 希望条件は今も同じか

これらが分からないと、そのまま案件先に出せません。結果として、本人に確認の連絡を入れることになります。

そして、この確認のやり取りが1往復入るだけで、提案は1〜2日ずれます。返信が翌日になれば、その日は動けません。

1〜2日の遅れが、なぜ効くのか

案件の相談は、いつも余裕をもって来るわけではありません。「来週から入れる人はいますか」という温度で来ることもあります。

このとき、候補として名前が挙がるのはすぐに出せる人です。具体的には、次の3つが揃っている人です。

条件なぜ必要か
更新日が新しい中身が今の状態だと判断できる
稼働可能時期が分かるいつから入れるかが即答できる
担当範囲が具体的に書かれている確認しなくても案件先に説明できる

逆に、どれかが欠けていると確認が必要になります。連絡して、返信を待って、内容を直してもらって——とやっているうちに、他の人で決まります。

実力の差ではなく、確認が要るかどうかで順番が決まる。急ぎの案件では、はっきりそうなります。ここは準備で追いつける部分なので、対策する価値があります。

更新すべき5つのタイミング

「定期的に更新しましょう」と言われても、頻度では続きません。出来事に紐づけて更新すると忘れにくくなります。

タイミング書き足す内容
案件に参画したとき案件名(一般化)、期間、役割、使用技術、担当工程
始まった時点で書ける項目は多いです。ここで枠だけ作っておくと後が楽です。
担当範囲が変わったとき新しく任された工程や役割
設計から入るようになった、レビュー側に回った、などは実績です。
新しい技術を使ったとき技術名と、それで何を作ったか
技術名だけでは弱いので、用途とセットで書きます。
案件が終わったとき終了年月、最終的な担当範囲、成果
終了時期の記載漏れが最も多いので、ここで必ず埋めます。
案件を探し始める前全体の見直しと更新日
ここが最後の砦です。ただし、ここだけで書こうとすると精度が落ちます。

このうち、最も効果が大きいのは「案件が終わったとき」です。終了時期が書かれていないシートは非常に多く、そのままでは案件先に出せません。

稼働中に書くほうが、精度が上がります

更新は稼働中にやるのが最も効率的です。理由は2つあります。

1つは、覚えているうちに書けるからです。案件が終わってから思い出して書くと、細部が抜け落ちます。「担当したのは実装だけだったか、設計にも入ったか」といった記憶は、数か月経つと曖昧になります。

もう1つは、時間の余裕があるからです。案件を探している最中は、比較や連絡でそれなりに忙しくなります。その状態で過去を思い出しながら書くと、どうしても雑になります。

開発業務

こういう記載を見かけることがありますが、たいていは急いで書かれたものです。書いた本人はもっと多くのことをやっているのに、思い出す時間がなくてこうなっています。

稼働中の更新については、稼働中から始める次の案件の準備にもまとめています。

更新日だけ新しくしても意味がありません

ひとつ注意点があります。更新日だけが新しく、中身が古い状態は避けてください。

Excelで作っている場合、日付を自動表示する関数を入れておくと、開くたびに日付が新しくなります。手間が省けて便利ですが、中身を直していなくても日付だけ最新になるため、実態とずれます。

更新日は「この内容は今の状態です」という意味を持っています。そこが信用できないと、結局すべて確認することになり、更新日を書いている意味がなくなります。

日付は中身を直したときに、手で更新するのが確実です。

毎回書き直さないための残し方

更新が続かない一番の理由は、毎回ゼロから思い出しているからです。これは、日々の記録を少し残すだけで解決します。

  • 作業ログを残す … 週に一度、担当した内容を数行メモしておく
  • コミット履歴を使う … 何を実装したかは履歴に残っています。一般化して転記できます
  • 担当範囲が変わったらすぐ書く … 記憶が新しいうちに1行足すだけでいい

ポイントは、スキルシートの完成度を上げようとしないことです。材料を溜めておけば、必要になったときに整えるだけで済みます。整える作業は、材料さえあれば短時間で終わります。

逆に、材料がない状態から書こうとすると、思い出す作業と、書く作業と、整える作業が同時に発生します。これが「更新が面倒」の正体です。思い出す作業だけを先に済ませておく、という分け方をすると負担が下がります。

メモの粒度は粗くて構いません。「認証まわりの改修」「新メンバー2名の受け入れ」程度でも、後から広げられます。整った文章にする必要はなく、後で自分が思い出せればいいという基準で十分です。

ブランクがある場合の書き方

案件と案件のあいだが空いている期間がある場合、その期間を書かずに空けておくと、かえって目立ちます。読む側は期間の並びを見ているので、空白があると理由を推測することになります。

空白そのものが不利になるというより、説明がないことで確認が必要になるのが問題です。ここも、確認のやり取りが発生する原因のひとつになります。

書き方は難しく考える必要はありません。事実を短く書けば十分です。

期間書き方の例
学習にあてていた「◯◯の学習期間(使用技術・作ったもの)」
作ったものがあれば、それも書けます。
体調・家庭の事情「休養期間」とだけ書けば十分です
詳細を書く必要はありません。稼働可能時期が明確なら問題になりません。
案件を探していた「案件調整期間」
数か月であれば、特に説明を求められることは多くありません。

大事なのは、今は動ける状態であることが分かるようにしておくことです。空白の理由より、現在の稼働可能時期のほうが見られています。

更新のときに、あわせて見直したい項目

更新のついでに確認しておくと、精度が上がる項目があります。

項目見直しの観点
稼働可能時期現在稼働中か、終了済みか。終了予定が決まっているか
希望条件単価・稼働日数・出社頻度の希望が変わっていないか
担当工程新しく担当した工程が漏れていないか(工程別の書き方
自己PR直近の経験を反映できていないか(自己PR欄の書き方
使用技術バージョンや周辺ツールが変わっていないか。案件の途中で入れ替わることもあります
連絡先メールアドレスや電話番号が現在も使えるものか。案件の連絡が届かない原因になります

特に希望条件は変わりやすいのに、更新されないことが多い項目です。ここが古いままだと、合わない案件ばかり届くことになります。

「案件が合わない」と感じるとき、原因がシートの希望条件にあることは珍しくありません。紹介する側は書かれている条件をもとに絞り込むので、1年前の希望のまま探されているということが起こります。出社の可否や稼働日数は、生活の変化で変わりやすい項目です。

合う案件が届かないと感じたら、経歴より先に希望条件を見直すほうが早いことがあります。

まとめ

スキルシートの更新は、案件探しの準備そのものです。

  • 更新日が古いとそのまま案件先に出せず、確認が必要になる
  • 確認の1往復で提案は1〜2日ずれる。急ぎの案件では致命的になる
  • 更新は出来事に紐づけて行う。特に案件終了時は必ず
  • 稼働中に書くほうが精度が高い。覚えているうちに書ける
  • 更新日だけ新しくしない。中身と一緒に更新する

探し始めてから整えるのではなく、探す前に整っている状態を作っておく。それだけで、声がかかる案件の数は変わります。

スキルシートの更新は、案件を探す作業の一部というより、探さなくても案件が届く状態を作る作業に近いです。経歴を積み直す必要はなく、すでにやったことを正確に残しておくだけで済みます。手間の割に効き方が大きいのは、この点があるからです。

書き方そのものはスキルシート完全ガイドに、項目の並びは無料テンプレート(Excel)にまとめています。

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よくある質問

スキルシートはどれくらいの頻度で更新すべきですか?
決まった頻度はありませんが、案件の区切り(参画・終了・担当範囲の変化)ごとに書き足すのが最も現実的です。頻度で管理しようとすると忘れやすいため、出来事に紐づけて更新するほうが続きます。少なくとも、案件を探し始める前には最新化しておきます。
更新日だけ新しくするのは意味がありますか?
おすすめしません。Excelの関数などで日付だけが自動的に新しくなっていても、中身が数か月前のままだと、確認したときに食い違いが出ます。更新日は「中身が今の状態である」という意味を持つので、内容と一緒に更新してください。
稼働中でもスキルシートを更新していいですか?
問題ありません。むしろ稼働中の更新が最も効率的です。担当した内容を覚えているうちに書き足せるため、精度が高く、時間もかかりません。案件が終わってから思い出して書くと、細部が抜け落ちます。

監修

馬込 浩株式会社KOPS 代表取締役

業務システムの開発・受託に携わり、フリーランス/業務委託エンジニアの調達・案件マッチングの実務に通じる。Relayの記事は、案件先に「伝わる」スキルシートと、案件を切らさない働き方の観点から監修しています。

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