スキルシート

スキルシートの担当工程の書き方|要件定義〜運用保守の記入例60パターン

Relay編集部12分

この記事の要点

  • 担当工程を工程名で並べるだけでは、その工程で何をしたのかが案件先に伝わらない
  • 要件定義から運用・保守まで、6つの工程それぞれの記入例を全60パターン収録。埋めたい欄の見出しから引ける
  • 盛る必要はない。やった作業を案件先が使う言葉に置き換えるだけで、伝わり方は変わる

スキルシートの「担当工程」は、案件先が最初に見る欄のひとつです。ここが「設計・実装・テスト」とだけ書かれていると、どの範囲まで任せられるかが伝わりません

この記事は、要件定義から運用・保守まで工程ごとに「よくある書き方」と「案件先に伝わる書き方」を並べた記入例集です(全60パターン)。

見出しは、Relayが無料配布しているスキルシートのExcelテンプレートの担当工程の欄に対応しています。手元のテンプレートを開いて、埋めたい欄と同じ見出しから読んでください。他社フォーマットでも工程の考え方は共通です。

担当工程を書き分けると、何が変わるか

案件先が見ているのは「この人にどこから任せられるか」です。工程名を並べるだけでは、その工程で何をしたのかが読み取れません。

設計・実装・テストを担当

間違いではありませんが、これだと設計が基本設計か詳細設計か、テストが単体か結合かが分かりません。担当した範囲まで書けば、同じ経験でも任せられる幅が伝わります。盛る必要はなく、やったことを案件先の言葉に置き換えるだけです。

工程から探す

要件定義

何を作るかを決める段階に関わった経験を書きます。

こう書きがち案件先に伝わる書き方
ユーザーと打ち合わせした顧客と要件をヒアリングし、仕様の認識合わせと優先順位の調整を実施
「何を決めたか」で調整役を担えると伝わる。
会議に出た要件定義MTGに参加し、技術的な実現可否の整理と代替案の提示を担当
担った役割を書くと、参加者止まりでないと伝わる。
仕様を決めた機能要件を整理して仕様を策定し、設計方針をチームで合意形成
決めた範囲で、上流から関われる人だ。
お客さんに説明した顧客に技術仕様を説明し、要件のすり合わせと合意形成までを担当
合意まで持っていくと、折衝力が評価される。
要望を聞いた顧客の要望をヒアリングし、要求として整理して要件定義に反映
要件に落とした点で上流の力が伝わる。
工数を出した機能要件から工数を見積もり、リスクと前提を添えて開発計画に反映
前提とリスクまで書くと、計画づくりを任せられる。

基本設計

システム全体の構造や機能の骨格を決めた経験を書きます。

こう書きがち案件先に伝わる書き方
新しい技術を試した新フレームワーク導入の可否をPoCで検証し、結果を技術選定に反映
確かめた点と活用先で、技術選定に関われる人だ。
設計図を書いた機能の基本設計・詳細設計を担当し、設計書としてドキュメント化
どのフェーズの設計かを書き分ける。
セキュリティを見た権限設計の見直しと脆弱性対応を担当し、アクセス制御を強化
対象を具体に書くと、専門性が伝わる。
マッチングの仕組みを作った人材と案件の自動マッチングを設計・実装し、情報のDB化から突合ロジックまで担当
どこまで担ったかで、ロジック設計を任せられる。
古いシステムを作り直した言語が混在し老朽化したバックエンドのリプレースを設計・実施
なぜ・何を刷新したかで、移行を任せられる。
ユーザーを移した独自IdPのユーザーを対象システムへ移行し、認証連携を再設計
対象と再設計で、認証まわりの移行を任せられる。
技術を選んだ要件と運用体制から技術選定を主導し、比較検討の結果を選定理由として整理
判断軸で、選定を任せられる人だ。

詳細設計

実装できる粒度まで落とし込んだ経験を書きます。

こう書きがち案件先に伝わる書き方
テーブルを作った機能要件からテーブル設計を担当し、正規化とインデックス方針を決定
設計判断(正規化/索引)でDBを任せられる。
APIを作ったREST APIの設計・実装を担当し、外部サービス連携とレート制御を実装
設計と連携の勘所で、統合を任せられる。
速くするために工夫したRedisでキャッシュ層を設計し、参照系の負荷とレスポンスを改善
キャッシュ設計まで書くと性能改善を任せられる。
デザインを揃えた共通ヘッダー/フッターに切り出して全ページのUIを統一し、保守性を向上
共通化の狙いで、設計判断ができる人だ。

実装・開発

実際にコードを書いた経験。本数が最も多く、書き方の差が出やすい欄です。担当領域から探せるよう5つに分けました。

画面・UI

こう書きがち案件先に伝わる書き方
管理画面を作った管理画面の基本設計から実装までを担当(React / TypeScript)
担当工程と技術で、即戦力かが判断しやすい。
スマホ対応したレスポンシブでモバイル用ナビ(ハンバーガー)を実装し、狭幅での回遊性を改善
対象と改善点で、UXまで見られる人だ。
表示崩れを直したモバイルでの横スクロール(はみ出し)の原因を特定し、レイアウトを修正
原因特定で、レスポンシブを任せられる。
動きを軽くした体感が重いスクロール挙動の原因を特定し、構成を見直して操作性を改善
入れる/外すの判断で、性能と体験を両立できる。
表示バグを直した画面遷移からの復帰時に要素が消える不具合を再現・原因特定し修正
再現と原因まで書くと不具合を追える。
管理画面に機能を足した目標・週次レビュー・指標を集約するダッシュボードを実装
何を可視化したかで、指標運用まで作れる人だ。

サーバー・API・データ処理

こう書きがち案件先に伝わる書き方
ログイン機能を作った認証基盤をOAuth2/OIDCで実装し、トークン管理とセッション設計を担当
方式と設計で、セキュリティ領域も任せられる。
決済をつないだ外部決済APIを連携し、冪等性・失敗時のリカバリまで含めて実装
例外系まで書くと、決済まわりを任せられる。
検索をつけた全文検索を設計・実装し、検索精度と応答速度の両立を担当
精度と速度の両立で、検索まわりを任せられる。
日次処理を作った日次バッチを設計・実装し、失敗検知とリトライで運用の手離れを実現
失敗系まで書くと、安定運用を任せられる。
定期実行を作った常駐プロセス内にジョブスケジューラを実装し、定期処理を安定運用
実装方式で、バッチ運用を設計できる。
メールを送る機能を作ったフォーム送信をトリガに自動メール送信を実装し、初動連絡を仕組み化
トリガと効果で、業務フローまで作れる人だ。
ファイルのアップロードを直した受付形式をバリデーションで制限し、想定外ファイルの混入を防止
検証と目的で、堅牢に作れる人だ。

不具合対応・品質改善

こう書きがち案件先に伝わる書き方
バグを直した決済処理の不具合を原因調査のうえ改修し、再発防止のテストを追加
原因と再発防止まで書くと、運用も任せられる人だ。
レビューしたプルリクのコードレビューを担当し、設計・可読性の観点で改善提案を実施
見た観点と改善の成果で、品質を任せられる人だ。
古いコードを整理した保守性向上のためリファクタリングを実施し、技術的負債を解消
なぜ整理したかで、設計判断力が伝わる。
処理を速くしたSQLとインデックスを見直し、一覧表示の応答を約◯秒→◯秒に改善
改善の数字を入れると、成果がひと目で伝わる。
重複を防ぐ処理を入れた近重複・同一テーマの検出ロジックを実装し、生成物の品質を担保
判定ロジックで、品質の作り込みができる人だ。

ビルド・リリース・SEO

こう書きがち案件先に伝わる書き方
環境変数まわりを直したSSR時に環境変数が渡らない不具合を特定し、ビルド構成を修正
原因で、ビルド/デプロイを追える人だ。
ビルドエラーを直したフレームワークのメジャー更新に伴うAPI変更へ追従し、型・ビルドを修正
追従の背景で、バージョン移行を任せられる。
フラグで切り替えられるようにしたジョブ単位の有効/無効フラグを実装し、段階リリースと運用制御を可能に
運用制御の狙いで、安全にリリースできる人だ。
検索エンジンに通知する仕組みを作ったIndexNow対応でURL更新を検索エンジンへ自動通知する仕組みを実装
自動化で、運用まで作れる人だ。
著者情報を足した著者にPersonスキーマと経歴を実装し、E-E-A-T(信頼性)を強化
目的(E-E-A-T)でSEO設計まで見られる。

AI活用

こう書きがち案件先に伝わる書き方
AIにコードを書いてもらったAIを活用して実装を進め、生成コードのレビュー・修正・テストを担当
「自分が品質を担保した点」を書くと信頼される。
AIのシステムを作った生成AIを用いたPoC・受託開発を担当し、Amazon Bedrockで機能を実装
使った基盤と役割で、AI開発の実務者だ。
AIの出力を調整した生成物の事実性を担保するチェックを実装し、誤情報の混入を防止
品質担保の観点で、AI活用を任せられる。

テスト(単体・結合・総合)

どの段階のテストかを書き分けます。「テストを担当」だけでは単体か結合か伝わりません。

こう書きがち案件先に伝わる書き方
テストしたテスト設計から単体・結合テストまで担当し、リリース前の品質を担保
粒度を書き分けると品質保証の幅が伝わる。
バグを見つけた不具合を検出し、原因特定と再現手順の整理まで行い修正につなげた
特定・整理まで書くと、原因を追える人だ。
負荷テストをした想定ピークで負荷試験を実施し、ボトルネックを特定してDB接続数を見直し
測った値と直した点で、性能設計に関われる。

運用・保守

リリース後の運用・障害対応・改善を担った経験。継続して任せられるかの判断材料になります。

こう書きがち案件先に伝わる書き方
エラーの原因を調べた本番障害の原因をログから調査し、影響範囲の特定と一次対応を実施
目的と範囲を添えると、調査の深さが伝わる。
障害に対応した本番障害のインシデント対応を担当し、原因調査・復旧から恒久対策まで実施
恒久対策まで書くと運用も任せられる。
監視していた監視・アラートを整備し、障害を早期検知できる運用体制を構築
仕組みを整えたと書くと、運用設計まで任せられる。
リリースした週次のリリース作業を担当し、デプロイ手順の整備で本番反映を安定化
頻度と手順で、安定運用の力が伝わる。
手順書を作った運用手順書を整備し、担当が代わっても回せる状態を構築
誰でも回せる状態にした点で属人化を防げる。
問い合わせに対応した問い合わせの一次対応を担当し、FAQ整備で対応件数そのものを削減
仕組み化まで書くと、改善力が伝わる。
デプロイした本番デプロイを担当し、Blue-Greenでの無停止リリース手順を整備
“どう出したか”で安定リリースを任せられる。
障害当番をやっていたオンコール対応を担当し、一次切り分けから復旧・報告までの運用フローを整備
対応範囲とフロー整備で、運用を任せられる人だ。
ログを見ていたログ基盤を整備し、指標のダッシュボード化で障害の早期検知を実現
仕組み化で、可観測性の設計まで任せられる。
コストを下げたクラウド費用を分析し、不要リソースの整理と構成見直しで月額を削減
分析と手段で、コスト設計を任せられる。
障害の振り返りをしたポストモーテムを主導し、原因分析から再発防止策の実装・仕組み化まで担当
振り返りを行動に変えた点が信頼につながる。
デプロイを楽にしたワンショットのデプロイスクリプトを整備し、手作業の本番反映を削減
自動化の効果で、リリース運用を任せられる。
設定まわりを直したデプロイ時に既存の環境変数を保持しつつ必要なキーを追加する構成に修正
副作用を防いだ点で、慎重に運用できる人だ。
エラーが分かるようにした処理失敗の理由をAPIレスポンスに露出し、障害の切り分けを容易化
可観測性で、運用まで見られる人だ。

まとめ

6つの工程・全60パターンを見てきました。工程は違っても、やることは一つ——自分の作業を、案件先が使う言葉に置き換えるだけです。経験を足したり大きく見せたりする必要はありません。

手元のスキルシートを開いて、担当工程の欄から埋めてみてください。書けたら、工程名だけで終わっている行が残っていないかを見直します。「設計」「テスト」とだけの行は、まだ何も伝えていません。その工程の見出しに戻れば、書き換え例が並んでいます。

工程に収まらない経験(チーム内での立ち回りなど)は「役割」「業務内容」の欄へ。言い換えの考え方そのものは 経験を“案件に伝わる言葉”に翻訳するスキルシートの書き方 で解説しています。

よくある質問

担当工程はどこまで細かく書くべきですか?
スキルシートの担当工程の欄に合わせて、要件定義・基本設計・詳細設計・実装・単体テスト・結合テスト・総合テスト・運用保守のうち、実際に担当した工程を書きます。工程名だけでなく、その工程で何をしたかを一行添えると、任せられる範囲が伝わります。
一部しか担当していない工程も書いていいですか?
書いて問題ありません。ただし「担当」と書くと全体を担ったように読まれることがあるため、担った範囲を具体的に書きます。たとえば「詳細設計のうち、認証まわりの設計を担当」のように書けば、盛らずに経験を正確に伝えられます。
工程に当てはまらない経験はどう書きますか?
チーム内での立ち回りや担当業務の全体像など、工程に収まらない経験は「役割」「業務内容」の欄に書きます。無理に工程へ寄せると、かえって担当範囲が曖昧になります。

監修

馬込 浩株式会社KOPS 代表取締役

業務システムの開発・受託に携わり、フリーランス/業務委託エンジニアの調達・案件マッチングの実務に通じる。Relayの記事は、案件先に「伝わる」スキルシートと、案件を切らさない働き方の観点から監修しています。

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